みちのく潮風トレイル『石巻 新しい街づくり 文化体験ツアー』
2014.11.02
【日時】11/2(日) 9:00~13:00
【場所】宮城県石巻市 中瀬公園(石ノ森漫画館横)界隈
環境省主催の東北トレイル事業【みちのく潮風トレイル】の開通に合わせ、
石巻にて1日限りのオリジナルツアーを現地団体と連携実施しました。
中心市街地エリアでは、石巻を拠点に活動を行う様々な団体・個人を訪ね、
多くの団体・個人がときにコラボレーションしながら多様な活動を生み出している現状を説明しました。
参加者には地元の方もいましたが、これまで詳しく知る機会はなかったと言います。
その後、津波が押し寄せた際、多くの方が避難した日和山を登り、そこから海まで歩きました。
海と面した門脇地区は戦後生まれた住宅街でしたが、石巻で最大の被害エリアとなりました。
現在は住むことができないため、成人男性の背丈以上に伸びた草木が生い茂り、
地盤沈下した場所には海水・雨水がたまり湿地のような状態になっています。
塩害や堆積したヘドロの影響から、数年は草木は生えないと言われた同地区ですが、
生命力の強い幾つかの植物は再び命を吹きかえし、
むしろ人の手が入らないために、成長を続けていました。
ありのままの自然に還ろうとする生命と、もうそこには戻らない人々の暮らしの営みが交錯していました。
参加者の多くが、言葉を発することなく、
少しずつ少しずつ目の前に広がる景色の意味を租借するように静かに歩いていました。
海から北上川を沿うようにゴールまで歩くそこには、今後約4m~7mの堤防が造られます。
江戸時代、仙台藩の江戸へと送る米の一大集散地として栄え、
そのために海と境なく広がった町並みが、今大きく変わろうとしています。
全焼した門脇小の保存・解体の問題、景色を一変させる堤防の問題、
地元の人々の想いに思いを巡らせながら、
参加者一人一人がすぐには答えの出せない問いを反芻しているようでした。
地元石巻や東京から、20代~80代まで幅広い方にご参加頂け、
また5感を通して過去と今を、そして様々な話から未来を感じることができたと、
感想を頂けました。
たくさんのご参加を頂き、ありがとうございました。
協働団体:ISHINOMAKI2.0